2015年11月30日

使用機材その4 DX-7

CA3I0029.jpg

80年代初頭に発売されたYAMAHAのシンセサイザー、DX-7です。

こちらも、今までご紹介したRX-7やKPR-77と同じ店で購入し……って、
なんでもある(あった)な、あの店。

SC-88と同じく、ある一定以上の世代の人にとってはおなじみの機材かもしれません。
なんせ、世界で最も売れたシンセサイザーはコレであり、MIDI規格の便利さをこれでもかというほど世に知らしめた歴史的存在でもあるからです。
そして、発売から30年以上経った今でも、まだまだ未知なる可能性を秘めた機材でもあります。

なぜならば、仕組みがメチャクチャ複雑なので、当時使いこなせたのは一部の有識者くらいだったからです。

本体そのものの機能は落ち着いて対処すればどうってことはないのですが、なんといっても厄介なのはFM音源
FM音源、特にこのDX-7に搭載されているものは無数の正弦波の集合体のような存在であり、DX-7はこれを組み合わせることによって音を作り出しているのですが、右も左も数字ばかりで出来ているうえに設定しなければならない項目も多くそれぞれが芋づる式に影響を及ぼしあいながら音色が構築されていく仕組みであるため、細かいところを適当に済ませるようなことも出来ません。
完成形を予想することも一筋縄ではいかず、作れる音色の自由度が非常に広いこともあいまって、何も知らない人が触ると確実に火傷します。
なので、大半の人は、詳しい人が作った音色のレシピを有料で買い、それを本体に読み込ませて使っていました(雑誌などに載っていたほか、専用のカートリッジも売られていました)。

これを購入したのは、作曲をするようになってからしばらく経ったので既存のMIDI音源とは違う何かが欲しくなり、「安く買えそうな古いシンセサイザーって何か無いの?」と思ったのがキッカケです。
ちなみに、一歩間違っていたら、KORGのPOLY-800を買っていた可能性もありました。

p.jpg
※こちらがKORGの公式HPに載っていたPOLY-800の画像。
MIDIに対応したアナログシンセサイザーで……あれ?ぶっちゃけこっちのほうが凄くね?


さて、DX-7はMIDI規格にこそ対応していますが、やはり後年のMIDI音源のようにはいかず、使い心地はかなり独特です。
まず、何より、どのMIDI音源でもスイッチを入れれば必ず一番最初にお目にかかれる「ただのピアノの音」がありません。
FM音源は、他の音は作れても、普通のピアノの音は作れないのです。
そして、エフェクターのようなものは内蔵されていませんから、本体だけだとスッピン状態の音しか聴くことが出来ず、コレを使えばどんな音楽が作れるのか想像がつきません(なんせ、CDで耳にしたような音が出てこないのですから)。
どうしても、ある程度の予備知識と設備投資が必要になってきます。

ちなみに、私はこれを買ったときに、空間系のエフェクターはスプリングリバーブしか持っていませんでした。
満足の行くサウンドを作り出せたのは、デジタルコーラスとデジタルリバーブを手に入れてからです。

しかし、一時代を築き上げただけのことはあり、そのサウンドのポテンシャルは相当なもので、特に高音域の抜けの良さにおいては今なお他の追随を許しません。
どこまでも突き抜けるかのような透き通った音は埋もれることなんてまず無く、そういう点だけなら、今でもありとあらゆるシンセサイザーの中で最強なのではないでしょうか?

普段、私はこれをいわゆる“MIDIキーボード”として愛用しているほか、もちろん実際に曲の中で音色を使ったこともあります。
ただ、今のところ本体(と標準装備のカートリッジの中)に入っているプリセットの音色しか使ったことがないので、もっと色んな音を使いこなせるようになりたいですね。
posted by グラスホッパー at 22:17| Comment(2) | 機材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月14日

使用機材その3 KPR-77

CA3I0028.jpg

80年代初頭に発売されたKORGのリズム・マシン、KPR-77です。
以前ご紹介したRX-7と同時期に、同じ店で購入しました。

なんとなく見るからに古そうな機材であることは分かっていただけると思いますが、こちらはアナログ音源を用いたリズム・マシンであり、なんとMIDI規格に対応しておりません(背面にそれっぽい差込口が付いているのですが、DIN SYNCという古いタイプの同期信号のようです)。

なんでこんなモン買ったんだよ?と思う人もいるかもしれませんが、当時の私は「なぁに大丈夫。全部の楽器を自力で演奏すればいい」と考えていたのです。
我ながら命知らずですね…。

アナログ音源のリズム・マシンといえばRolandのTR-808があまりにも有名ですが、当時はBOSSやYAMAHAなどのメーカーもそれに対抗しうるような機種をリリースしていました。
KORGのKPR-77もそのひとつです。
TR-808なんて高くてとても手が出せませんが、一方でこの機種には特にプレミアなんて付いておらず、当時の私でも簡単に手に入れることが出来ました。

というのも、このKPR-77というのは、数あるリズム・マシンの中でも最高レベルの異端児として昔から有名であり、「こんなモンどうやって使えっていうんだ…?」と数多のアマチュア・ミュージシャンが頭を抱えたという、そんな代物だったらしいのです。

テクノ系の音楽が好きな人ならアナログ系のリズム・マシンの音は聴きなれているものと思いますが、基本、そういうリズム・マシンというのは、チャカポコとしたオモチャっぽい音がします。
KPR-77も、基本的にはまぁそんな感じ……なのですが、何かが微妙に違います。
スネア、シンバル、ハンド・クラップなど、そのサウンドは妙に荒々しく、やたらめったらジャリジャリしているのです。
特に、クラッシュ・シンバルを強拍で鳴らしたときなんて耳が痛くなるほどで、ぶっちゃけ本気でうるさいです。

これに比べたら、バスドラムやタムはまぁ普通っぽい音……のように聞こえますが、やはりタダでは済みません。

私はある楽曲を製作していたときにこの機材のバスドラムの音を使ったのですが、そのときは“単なる地味な音”だと思いながら曲を作っていました。
しかし、いざ曲が完成して、それをスピーカーから鳴らしてみると、ただならぬ振動が部屋中に響き渡ったのです。
音は軽いが埋もれない」というタイプのバスドラムなら存じ上げていますが、まさか、真逆の「埋もれるがメチャクチャ重い」なんてバスドラムがあるとは思いもしませんでした。
私は、このことがキッカケで重低音の奥深さを思い知らされたといっても過言ではありません。

私が作った楽曲の中でアナログのリズム・マシンっぽい音が出てきたら、まずこの機材を使っていると思っていただいて構いません。
当然、同期は出来ませんから、ちょっとずつ鳴らした音を録音して抽出し、リズムに合わせて並べることによって曲を作っています。
posted by グラスホッパー at 00:14| Comment(0) | 機材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月05日

使用機材その2 RX-7(YAMAHA)

CA3I0027.jpg

こちらは、80年代後半に発売されたYAMAHA製のリズム・マシン、RX-7です。
大学在学時、某所のハー○オフにて購入しました。

見た目がカッコいいし、何より、とある歌手のアルバムで使用機材として記載されているのを見たことがあったんですよね(確か小比類巻かほるだったかな?)。

YAMAHAからリリースされた“RXシリーズ”には色々と種類がありますが、私が調べた限り、どうやらこのRX-7というのは先行機種であるRX-5の廉価版のような位置付けで、「性能は若干劣るが、そのかわり多機能にしてある」という、そんな存在であったようです。
「音色が100個ある」というのを売りにしており、ドラム音の他に、ベースですとか、ギター、マリンバ、クラヴィコード、ブラス、オケヒット……等、メロディを弾けるような音色もいくつか組み込まれています。
これがまた、他の音源にはなかなか無いような、絶妙にオモチャっぽい音をしていて面白いのです。

ただ、どういうワケかどれもこれもサスティンが非常に短く、四分音符一個ぶんくらいしか音が続かないため、弾けるフレーズは非常に限られますが……。

基本的には内蔵シーケンサーによってフレーズを組み立てることを前提とした造りになっていますが、MIDIに対応していることもあって、やろうと思えばパソコンに繋げられます。
そうやって使ってみると、もともと音色が豊富なこともあって、色々な使い道があり面白いです。

通常の使い方だと、それぞれのパッドに割り当てられた数しか音を鳴らせませんが、機能を切り替えると、ひとつひとつの音色に音階を付けながら自由に演奏することが出来るようになります(ベースやマリンバの音色は、そうやって使うのですね)。
ドラムも音程を自由自在に乱高下させることが出来るようになります。
個人的には、スネアなどは、デフォルトの状態よりも若干低めの音程で鳴らしたほうがそれっぽい音になると思います。

詳しい人にとっては周知のことと思われますが、YAMAHA製の音源というのは基本的にドラムが独特な音をしており、昔のものは特にそれが顕著です。
なんとなく音のトーンが低く、キレの良さよりも太さを重視した丸みのある音色になっています。

私は頭の中で、それらを勝手に“イモドラム”(芋みてぇなドラム、の意)と呼んでいるのですが、スネアやタムだけでなくハイハットやクラッシュ・シンバルでさえもそうであり、ツッチーツッツチー☆という無駄に重量感のある音がします。
おそらく、時代が時代なので、サンプリング・ビットレート(要は音質)の低さがそうさせたのでしょう。

サンプリング・ビットレートの都合か、イコライザーによる音作りの自由度はそんなに高くはなく、出来る限りドラムを目立たせるようなミキシングを心がけても結局は控えめな存在感に落ち着いてしまったりするので、その点は注意が必要です。
posted by グラスホッパー at 23:50| Comment(0) | 機材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする